青少年妊娠罪で逮捕される少女のお話03
🕑 Added 2023-04-15 15:00:00 +0000 UTC
何故か電気は消えなかった。いや、2つあるうちの1つは消えたのだが、丁度私の頭の真上にある電気は未だに消えず、私の顔を照らし続けていた。これがとても眩しく、眠るなんてできるはずがない。だからと言って顔を毛布で隠したり、腕や手で顔を隠したりするのは禁止されている。これは、なにかの嫌がらせだろうか。
確かに私は青少年妊娠罪の容疑が掛けられている。世間で見れば犯罪者で悪い人だし。そんな人はぐっすり眠るなんて甘えなのかもしれない。
「うっ……ううっくっ、」
涙が溢れてきた。布団に全身を包まれて安心してしまったのだろうか。それとも、考える時間が出来てしまって、寂しさが込み上げてきたからだろうか。わからないけど、恐らく後者。
いつもベッドの隣に置いてあるクマのぬいぐるみはないし、「おやすみ」を言う家族もいない。
自由を奪われた悲しみと悔しさや羞恥と屈辱から体の中の熱いものが抑えられなくなっていた。
お母さん、お父さん、和也……。
私は心の中で3人を呼ぶ。
「うくっ、ぅ、ひっ。かずやぁ、わたし……」
私は和也の事を恨んではいない。妊娠してしまった原因は確かに、あの行為によるものだけど、あれは2人の同意があったもの。結果は残念になったけど、彼が私の事を女として見てくれて嬉しかったし、何より気持ち良かった。
あの日、たまたま陸上部が早上がりだった。私は和也の部活が終わるまで、教室で待っていようかと考え、自分の教室へ向かっていた。
部活や特別な用事のない人以外は帰宅し、人は少ない。私は誰もいないはずの教室の扉に手を掛け、横にスライドした。
しかし、そこには部活をしているはずの和也の姿があった。下はサッカー部の練習ウェアに、上は何故か裸。窓から差し込む西日が彼の腹筋をうっすらと浮かび上がらせており、私は目を背けるどころか、見入ってしまった。
「あれ、知美じゃん?どうした?」
彼は自分が上裸であることが、さも当たり前のようにそう問いかけてきた。私はその、ひきしまった肉体から目を離し――心は奪われていたが――彼の問いかけに答えた。
彼はどうやら足を怪我して、歩ける程度だが、大事をとって早めに帰宅をするらしい。上裸なのは「熱いから」とのこと。
私は「風邪ひくよ~」と恥ずかしさを誤魔化しながら、彼の腹筋に見惚れる。綺麗に割れた腹筋と、うねるような大腰筋。女の私には無い角張った骨格に、お腹の下が疼いた。じわっと絞れるような熱い何かが溜まっていく感覚。
その時には既にスイッチが入っていたのだと思う。彼の身体に内なる本能が抑えきれず無意識に彼を誘惑していた。らしい。さりげないボディタッチや、声色、体の魅せ方など、彼にとってそれは誘惑以外の何物でもなかった。
私は彼に押し倒されていた。いつも彼が使っている机の上で、覆いかぶさるように、強引に。息を荒げ、股間を膨らます彼は既に野生だった。
その後、私は流されるだけ流された。「ごめん、抑えられない」「ずっとこうしたかった」「恥ずかしがってるの、かわいいよ」と、今思い返せば歯が浮くような言葉の数々。でもその言葉ひとつひとつは彼の本心であり、純粋に嬉しかった。彼に女として見てもらえた。そのことが何より私を奮い立たせた。
私の手は気が付くと服の中をまさぐっていた。ひだり手を上の膨らみに。みぎ手をしっとりと濡れた割れ目に。目尻から枕へ垂れる涙を気に掛けず、私を監視するカメラも気に掛けず。しきりに彼の名前を口ずさんだ。
「かずやぁ、かずっ、や……はぁ、はぁっ」
膨らみの頂点を優しく擦り、目を閉じる。あの日の事を思い出しながら、私は熱い息を何度も吐いた。彼に触れられた感触と、あの時の気持ち良さ。それらを思い出すかのように体を弄り、慰める。
下も敏感なところに触れてみる。じわっとした快感が広がり、また熱い息を吐いた。何度も何度も彼の名前を呼び、心の中で愛していることを伝えた。
彼も私の事を想ってくれているだろうか。うん、大丈夫。今なら繋がっている気がするし、寂しくない。この快感が私にとって、唯一彼と繋がれる希望だ。
身体を思いっきり反らし私は絶頂を迎えた。あの時とは少しだけ快感の種類が違うけど、こっちの快感も好きだった。
大波に溺れるように、腰をびくびくと震わせて、脳を駆け巡るドーパミンに酔いしれる。
「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ」
多分声は我慢できたと思う。
私は去っていく快感の波にすがるべく、みぎ手についた愛液を舐めてみた。それはあの時と同じ味。性を吐き出した彼の肉棒を舐めた時の味だった。
普段はこういうことは絶対にしない。でも今はこんなことでも彼を感じていたかったから。
「かずやぁ、すき、あいしてる……」
その後、私は自慰の疲れから、すーっと微睡の世界へ落ちていった。
尿意を感じて目を覚ました。
「といれ……」
多分自慰のせいだろう。まだふにゃふにゃな活舌で、誰に聞かせるわけでもないのに独り言を言いながら布団から這い出た。
しかし、そこにあったのはトイレと私を分断する鉄の壁。いや、世界と私を分断していると言った方が正しいだろうか。
「そっか、私……」
目が覚めはじめ、自分が置かれている状況を思い出し始める。ここは留置場の独房の中。私は青少年妊娠罪で逮捕されて、ここにいる。そして私のお腹の中には、小さな命が一つ。
私はひとつ大きな息を吐いた。
「しかたないよね、非常時だし」
そう言いながら私は壁に設置されているボタンを押した。少し遅れてスピーカーにノイズが走り、担当さんの声が聞こえてきた。しかし、その声は私の知っている声とは違った。
「はい、どうされましたか?」
「すみません、お手洗いに……」
「大便ですか?」
「あっ、いえ、小さい方だけです……」
何処にマイクがあるのか、未だにわからず私は監視カメラの向こう側へ話しかける。すぐに来てくれるだろう。そう思って、私は布団の上で正座をした。
「では、担当が一人そちらに向かいます。壁に頭を付けて待っていてください」
担当さんはすぐに私の元へ来た。指示された通り壁に頭を付けて独房の扉が開かれるのを待つ。
「直っていいですよ」の声で私は違和感を覚えた。何故か。それは私の手が手錠で拘束されていない事と、それ以前の鉄格子が開かれた音がしていない事。
疑問に思いながらも振り返ると、そこには鉄格子の前に立つ担当さんが一人いた。昼間の人とは違う、別人。昼夜で担当が交代する仕組みなのだろうか。
「あれ、手錠は……」
自分から手錠をして欲しいともとれる発言をしてしまったが、そうではなく、昼と手順が違う事への違和感からの疑問だ。トラブルは避けたかった。
「説明されませんでしたか?夜のトイレは手錠要りませんよ」
その言葉に私はあっけに取られるが、されないならそれに越したことはない。私は鉄格子の前まで歩いて、扉が開かれるのを待った。
「……」
「……?」
互いの数秒の沈黙。
担当さんが鉄格子の扉を開く気配はなかった。
「あれれ、何も説明されていない感じですか?」
「どうやら、そうみたいです……」
担当さんは私に夜のトイレについて詳しく説明をしてくれた。
まず、夜間は警備の関係上、私に対して2人以上の人員を割くことが出来ないらしい。なので、私がトイレを使用することのできる条件である『2人以上の監視』が満たせないとのこと。
しかし、トイレを使用させず垂れ流させる事は人権に抵触する為、私にはある物が配布されている。それが、部屋の隅に置かれている青色の紙状シートである。
これは吸水性に優れた所謂ペット用シートと性能は同じ物だと担当さんは説明をした。加えて、その上で排泄をしても零れる心配はないとも。
それは遠回しにこのペットシートで排泄をしろと言っているようなものだった。当然私は受け入れられないという旨を伝えた。
しかし、規則上私に排泄をさせるのはこれしか方法がないときっぱり言われてしまい、私の選択の余地は無いに等しかった。
「ズボンとパンツ脱いで。脱いだものはシートの横に。私から見えるように置いてね」
鉄格子の前に吸水シートを敷いて、担当さんの指示に従う。紐の抜かれた体操服と、地味色のショーツを下ろし、脚から抜く。まるで檻の中にいる奴隷を品定めするような状況だ。
私はその屈辱的な扱いに気持ちが荒れていくのを感じた。
「その上で女の子座りはできる?」
私はそう問いかけられたので、「はい…」と返事をして、シートの上に座った。正座ではなく、正座から足を横に広げた女の子座り。吸水シートは私の脚が少しはみ出るくらいの大きさで、私はその中央に股間を当てた。自慰の後に拭けなかった不快感がぬちゃと音を立てた気がした。
「うん、できたわね。橘さんは体柔らかいのね。前に来た子は女の子座りが出来なくて大変だったのよ~」
そんな世間話聞きたくもなかった。私はその話に耳を傾けるわけでもなく、黙って指示を待つだけ。
「じゃあ、排泄開始っ。洋服でお股が隠れないよう、少し持ち上げてね」
震える手でポリエステルの裾を持ち上げた。廊下側の光が私の陰部と下腹部を照らして、全てが見られている。スカートをたくし上げてパンツを見せつけるとは次元の違う恥ずかしさだった。
私は顔を真っ赤に染める。何度か深呼吸をして、ゆっくりとお腹から力を抜いた。
シートに直接陰部を当てながら放出された尿は、意外にも零れることなく全て吸収された。臀部にじわっと温かい感触が広がったと思うと、触れる部分は濡れることなくさらさら。
紙で拭かなくても案外大丈夫のようだ
排泄が終わると担当さんが排泄物に異常が無いかを目視で確認する。その間私は吸水シートの上で腰を浮かし、陰部もろともチェックを受けた。使用済みの吸水シートは鉄格子の隙間から担当さんが確認し、ビニール袋に詰め込み、排泄は終了。
「お疲れ様。パンツとズボンを履いて、奥の壁に頭ついてね」
その後は恥ずかしさにうなされ、なかなか寝付くことが出来なかったが、気が付くと眠りについていた。次に目が覚めたのは起床の合図の少し前。終わることのない地獄の日々はまだ序章に過ぎなかった。
終わり