種を蒔く男たち【完結ver】
🕑 Added 2018-05-24 04:15:30 +0000 UTC
古びた駅のトイレは小便の臭いがこもっていた。
「ふぅーっ…。」
しかし背に腹は変えられないと、暴発寸前の膀胱を抑えてなんとか滑り込んだ。スーツのスラックスのチャックを下ろし、ぶるんっとチンポを取り出して放尿を開始する。
「しっかし、このところ残業続きだよなぁ…。」
ため息交じりで愚痴をこぼすとアンモニアの臭いが口いっぱいに広がった。
終電まであと少しの駅は閑散としていた。おかげでこんな古びた駅のトイレには人の来る気配もない。みんな少し歩けばある真新しいコンビニのトイレを利用したがるだろう。
不意に、本当になんの意識もしたつもりはないのだが、放尿を終えかけているチンポの先端がムクッと膨らんだ。
もう30にもなって小便器に張り付いて勃起してるなんてお笑いである。
「なんだ…?疲れマラってやつか?」
ネットで昔みた俗っぽい知識を引っ張り出してそんな言葉をつぶやく。確かに最近は忙しくてオナニーをする暇も余裕もなかった。帰ったらエロ動画でも探してサクッと抜いてから風呂入って寝るか…
…いや、むしろ今ここで抜いていけば楽なんじゃないか?邪な考えが脳裏をよぎる。仮にもここは公衆トイレで、公共の場である。そこで本来の用途以外のものを出して帰るなんて許されたことではないだろう。何より、抜いてる最中にもしも見回りの駅員なんてのが入ってきたらお終いだ。警察に突き出されるだろう。
理性はそう警告しているのに、体は全くそれに従う素振りを見せなかった。放尿を終えたはずなのに、ヨレヨレのトランクスの中にチンポをしまう気になれない。それどころか、手先はいやらしく亀頭の辺りで燻り、もっと俺の中心部に血液を集めて膨張しようとさせていた。
いつしか俺は夢中になってチンポをしごいていた。スーツ姿にメガネ、一応セットした髪は少し崩れて前髪が垂れてきていたけれど、社会人としてまあテンプレートには無事に乗ることができるような姿になった俺が、思春期のオナニーを覚えたばかりの中坊のように自分のチンポをしごいて快感を得ることに夢中になっている。
「ハァッ…ハァッ…。」
息が上がってしまうのは悲しかな中学生とは違うところだろうが、額には汗を浮かべて、自分の体の奥深くから湧き出て来る何かを貪る為に、俺はひたすらにチンポをしごき続けた。
その時、視界も隅に夜中の駅のトイレには不釣り合いなカラフルな何かが映り、そちらを見ると短い金髪に、まだ少し季節的に早いような気がするタンクトップを着た20歳くらいの青年が呆気にとられた様子でこっちを見ているのに気づいた。
瞬時に心臓が凍りそうになったが、自身の奥から湧いて来る熱がそれを瞬く間に溶かしてしまう。
俺はニヤリと笑うと
「なんだ?見たいのか?」
とその青年に挑発的に問いかけていた。
青年は固まったままであった。
「なんだよ。逃げねぇってことは見たいんじゃねえのか?大人の男のオナニー見せてやるぜ?もっとこっち来いよ…。」
昔会社の同僚と一緒に風俗に行き、流れで3Pをすることになった時に言われたのだが、俺はセックスする時に女に対して高圧的になるらしい。今の俺はまさにその状態だろう。この青年を自分のものにしてやりたい、できると思い込んでいた。
「おらっ…俺のチンポ結構デカイらしいぜ?見たいんじゃねえのか?」
小便器から一歩下がり、怒張したチンポを青年に見せつけるようにすると、彼の喉はゴクリと音を立ててなった。
「なんだ、お前ホモか?チンポ好きか?」
「違います…。でも、なんか…目が離せなくて…。」
「じゃあもうホモでいいじゃねえか。俺も普段は女としかセックスしねぇんだけどよ、男のお前にチンポ見せたくてたまんねぇんだ。おら、もっと寄れ。俺のチンポ見ろ。」
初めて会った人間と交わした言葉とは思えないくらい粗暴な会話だったが、俺たちはそれほどまでに興奮していた。
青年は少し息を吐くと、静かに俺の方へと近づいてきた。
青年は最初個室に入ろうと目で合図して提案してきたが、俺はそれを許さなかった。
「そんなとこでコソコソなんかできるかよ。見たい奴には見せつけてやるんだ。」
そう言って俺は上反ったチンポをしごきながら体を少し反らせ、青年に見せつけた。躊躇していた青年もそれを見て抑制が効かなくなったのか、チンポを凝視したままゆっくりと近づいて来る。
「触んじゃねぇっ!」
手を伸ばして来る青年に小声で怒鳴りつける。驚いた顔の青年。
「そこで指咥えて見てろよ。そんな簡単にこの俺のチンポを触れると思うんじゃねぇ。」
そう言って俺はますます体積を増した自身のチンポを手のひらでグリグリと嬲る。
しばらくは俺の荒い息遣いと、青年の鼻息だけがトイレ中を満たしていたが
「触らせてください…。」
程なくして青年が懇願の声をあげた。
「何をだよ?」
俺は意地悪く返事をする。
「…お兄さんの、アソコ…。」
「アソコってどこだよ?はっきり言え、はっきり。」
「…。」
「黙ってるならわかんねえな。そこでこの俺のデケェ大人チンポをシコってる姿見てろ。」
「…ください。」
「あっ?」
「デカイ大人チンポ触らせてください…。」
「声小せえなあ。本気で触りたいなら」
「お兄さんのっ!デッカい大人のチンポを触らせてくださいっ!!」
「っ!?馬鹿野郎!何大声あげてやがる!?」
「お兄さんがチンポ触らせてくれないからっ!」
「うるせぇっ!わかったよ、触れ。そのかわり良くしろよ。」
「…はい。」
怒鳴り声をあげた時は顔を真っ赤にして威勢も良かったのに、すぐに消え入るような声に戻ってしまったが、まあいいだろう。
俺のチンポは我慢汁でベタベタになっていたが、それすら慈しむかのように、青年は神々しいものに触れるかのようにソッと俺のチンポの幹に手を添えた。
最初は加減がわからなかったのだろうが、だんだんと大胆になって来る。いつしか俺は目を瞑って青年の指使いに体を任せて快感を味わっていた。
「おぉ…いいぞ。」
「ありがとうございます…。」
個室でもない、駅のトイレという公共空間で、さっきまでくたびれた三十路のサラリーマンだった俺が、ヤンキー風に見える金髪タンクトップの青年がチンポを弄らせている。それはあまりにも非現実な光景だったが、そのぶんこみ上げる快感は今まで覚えたことのないほどのものであった。
「っうっ!?」
突然、俺のチンポが今までの数倍の快感を伝えて来る。目を開けるとなんと青年は俺のチンポにむしゃぶりついていた。
「っおい!?」
「だって、美味そうで…。」
チンポを握りながら青年が一度口を離し答える。その唇と俺の亀頭にヌラヌラとした粘液の橋がかかっている。
「…好きにしろ。」
青年は無言でフェラチオを再開した。
この青年はホモだったのだろうか?あまりにもその舌技は巧みであった。百戦錬磨の風俗通いの俺でさえ、なかなか腰にくる技を次々と仕掛けて来る。
「おいっ…出るぞ。」
そういうと青年は口を離した。途端に俺は沸々と怒りが湧いて来る。俺の精液が飲めないのか?そう怒鳴りつけてやろうかと思ったが、いいことを思いつき無言のままチンポを猛スピードでシゴいて発射に向けて準備をした。
その様子をぼーっとした顔で見つめている青年の髪を鷲掴みすると、その唇を俺の亀頭の先端にあてて、ティッシュ代わりにして俺は射精をした。
長い射精だった。最初の1発はマグマのような塊が噴射し、青年の口と鼻を覆った。息をしようと思わず口を開けた青年の口内に俺は勢いの衰えない2発目を放った。不意打ちされるとは思っていなかったのだろう。抗うこともできずに青年は俺の種を摂取していく。
1分間ほど射精し続けただろうか。
俺の方もすっかり惚けてしまっていたが、今度は青年が自ら俺のチンポに吸い付き、尿道に残った精液を吸い出し始めた。可愛いと思った俺は青年の頭を撫でてやる。青年はますます愛おしそうに俺のチンポにチュウチュウと吸い付く。
永遠にこうして俺の種を味わわせてやりたい気もしたが、そういうわけにもいかない。俺は最初と同じように髪を鷲掴みし、乱暴に青年の顔を俺の股関から離した。
「ちゃんと飲んだか?」
青年は黙ったまま頷く。
「ならいい。種が芽を出すのには時間がかかることもあるが…お前の場合はすぐにでも出そうだな。」
そう言って笑ってやると、照れたように目を背けて再度彼は頷いた。
トイレには性行為の後の落ち着いた時間がやっと流れ始めていた。
乱れたスーツを直し、帰る支度をして出入口を見ると、制服姿の駅員が立っていた。どうやら俺たちの痴態は外へも漏れていたらしい。
だが心配することはない。なぜならその駅員のスラックスの股間部分も、普段ならあり得ない膨らみがぶら下がっていたから。
「次の苗床だぞ。」
俺は青年に囁く。
スッと立ち上がり、青年は駅員に向かっていくと、その肩を抱いてトイレの個室へと2人で滑り込んだ。
ガタガタと不自然な音がやがてし始めたのを聞き届けると、俺はそのままトイレを出て、火照りの冷めない体を夜風に晒しながら家路へとついた。
その日の眠りで俺は昔の夢を見た。今から10年ほど前。田舎から上京して2年目の夏だった。
封鎖的だった田舎に辟易していた俺は、都会で一気に遊びを覚え、毎晩のように遊び歩いていた。
ある日、飲みすぎた帰り道で俺は尿意を催し、公園のトイレに立ち寄った。今よりもまだ色も薄く、使い込まれていないチンポを取り出すと小便器に向かって尿を放つ。
ふと前を見ると
「チンポしゃぶらせたい。金曜AM0:00ここで」
とタイルの目地にマジックのようなもので書かれた落書きが目に留まった。
その日は金曜で、時間もちょうどその頃だったと思う。俺はその時までチンポをしゃぶりたいなどと思ったことはなかった。セックスも普通に女と初体験を済ませて、遊ぶ相手も女ばかりであった。
なんだ、なんで俺こんな落書き気になってんだ…?
自分で自分を信じられなかったが、ひとまず用を足して少し膨らみ始めていたチンポを無理やりパンツに押し込み振り返ると、そこにはスーツ姿の30歳ほどの男が立っていた。
気がつけば俺は男のチンポをしゃぶっていた。どうしてそうなったのかは思い出せない。ただ、用を足して振り返った俺が仁王立ちしたその男と目が合った瞬間に、そいつがニヤリと笑ってスラックスのチャックを下ろし、当時の俺のものとは質感の違う使い込まれたチンポを取り出してゆっくりと扱き始めた光景が目に焼き付いている。
あとはまるで今日の俺を見ているかのようだった。男に怒鳴られながら、しかし逃げたい気持ちなど微塵も起こらず、流されるがままにチンポを触るうちに、口にこれを含んでみたいと思ってしまった。
そしてしゃぶっているうちに、男が「出すぞっ。」と言ったので思わず口を離してしまうと、頭を鷲掴みされて口の中に種を注がれた。
放心状態の俺に
「今はまだわかんねぇだろうな。お前はいつか俺と同じになる。種を蒔くんだ。俺もお前と同じだった。種が芽を出すのには人によって時間がかかる。お前は生粋の女好きだな?だから時間がかかるだろうが…その日が来たら体が勝手に動く。命じられるままに動け。流されていいんだ。それが俺たちの本能なんだからな。俺たちは選ばれたんだ。種を蒔く男に、な。」
そういうと男はポンポンと優しく俺の頭を叩いて行ってしまった。そんな夢を見た。いや、正確にはこれはトラウマもので封じ込めていた俺の記憶そのものであった。
翌朝目が覚めても夢の内容は忘れていなかった。むしろ男の顔もはっきりと思い出せた。俺たちは種を蒔く男。
いつものようにYシャツに袖を通し、駅へと向かう。ごった返す人混みの中で、俺は昨日の夜にトイレで見かけた駅員を探すことにした。
キョロキョロとする俺の肩を誰かが叩く。
「何かお困りですか?」
振り返ると昨日すれ違った駅員が微笑みを浮かべて俺を見ていた。
「あぁ、仲間を探してるんだけど、逸れてしまったみたいで。」
「そうでしたか、でもご安心ください。」
そう言って駅員は俺の耳元に顔を寄せ
「私も仲間ですよ。」
と囁いた。