ラブミーラフリー
🕑 Added 2020-03-31 12:28:38 +0000 UTC
§
家族が出来た。
飛び切りの美少女で、高身長の白人娘。
義妹だった。
「Nice to meet you!」
そう言って手を差しだした、その姿を今なお鮮明に覚えている。ベージュ色のツーサイドアップ、瞠目するほどの可憐な少女。綺麗な髪を2房のツインテールに結んだその姿は、一見してカナリアを思い起こさせるかわいらしさだった。
「ナ,nice to…」
「ちょっと、日本語話せるって!」
そういうとクスクス笑う少女。いきなりの英語に緊張してしまう、そんな義兄を面白がる姿はいかにもティーンエイジといった感じ。細長い体を折って笑うクスクス笑う、その屈託のないさまが愛らしい。
なんというかわいらしさだろう。
パッと花開くような明るい笑顔。
どうも、ひとめぼれしてしまったらしい。
「こっちは長いんだっけ?」
「そうよ? 中途半端に英語が残ってるけど……、ちゃんと勉強したんだから!」
フフンと胸を張るニナ。からかうようにいたずらっぽく笑う、そんな様まで目を奪われて、なんだか、なんだかドキドキしてしまう。
ドキドキする、のだが……。
抱いたのは一抹の不安。
ペースを崩され、すでに付け焼刃の兄の立場はガタガタだ。
——もしかしてこの娘、かなり手ごわいんじゃないか?
ほどなく的中する嫌な予感。
だがそれも、美少女と会えた悦びで忘れてしまう。高校から一人暮らしなんて始めなければよかったと、後悔するほどだ。
アメリカから来ただけあって、まだ成長途上なのに俺と背はそう変わらない。正面から俺を見据えて、ニナは言った。
「ヒロだっけ。私はニナ。よろしくね」
そう言って差し出された細く柔らかな手に、ときめかなかったと言えば嘘になる。
これほどの美少女と家族になれるなんて。
そんな事実が嬉しくて、思わずにやけてしまう程。
だから、思った
なんで、家族なんだ。
妹じゃなきゃ、素直に好きになれたのに。
長く続く煩悶。
顛末は、意外なもの。
§
混雑した雑踏でも、ニナは容易に見つけることができた。
明るいベージュの髪色、ふわふわ揺れるツインテールに腰まで届く長い後ろ髪。
間違いない。
「おーい、こっちこっち!」
こっちに気づいて、パッと笑顔を向けるニナ。
久しぶりに会えて、思わず頬が綻ぶ。
俺は小走りニナって近づいて。
近づいて。
近づいて……。
「あ、あれ……?」
近づくにつれ、スラリと伸びていく少女の体。華奢で細身に見えたその肢体は、けれどどうも様子がおかしいようで……。
「ん? What’s up?」
「で、デカくなってないか……?」
違和感の正体に気づいた時には、俺はもう見下ろされていた。14歳の美少女、それもヒールも履いてない義妹、それに腰を折って顔を覗き込まれていたのだ。
「前は俺とそう変わらなかっただろ……!」
「前って……、もう半年以上前でしょ?」
「で、でも、こんなに伸びるもんかよ!」
俺より15センチは高い色白娘。フフンっと胸を張ればなおその差は歴然。目の前に来る胸さえ豊かに膨らんで、とても中学生のそれとは思えない。
「ティーンの成長甘く見ないでよ? もう伸びしろの無い兄さんとは違うんだから♪」
「俺だってまだ17だ! この前までプレティーンだったくせに……」
「そ? まあ誤差よ誤差」
肩を竦めるニナ。これが西洋人の成長ってやつなのか。いや、ニナが特殊なんだろう。多分。そう思いたい。
そんな俺の葛藤を知ってか知らずか。“ていうか……”とこぼしニナはクスッと笑う。
「どっちかっていうと、ヒロがちっちゃいのよ」
「なっ!?」
「ヒロ、何センチよ? 160㎝ある?」
「お前なぁ……」
背を比べるように頭の上で手を振り笑う洋ロリ娘。ずいぶん口も達者ニナったものだ。しっかり主張する胸が、なお生意気だった。
悲しいかな、妹の軽口を笑って受け流せない自分がいる。後付けとはいえ、いや、後付けだからこそ、兄貴としての沽券が軋むのだ。
「もしかして、もう始まったの……?」
「……ん、まあ。で、でも、そんなに縮んでないぞ!」
「ふーん? ま、元気出してって」
揶揄うように背を叩く高身長少女。
俺は、鼻白んだように頭を掻いた。
⁂
家賃のわりに広い部屋は、ニナが入ってきた途端手狭なものとなった。
「思ったより綺麗ね」
「片づけたからな」
178㎝の圧迫感を背に覚えつつも、部屋が一気に明るくなったのが嬉しい。声が上ずってしまうのがその証左だ。
「まあ、縮まないうちに片づけとかないと大変だしね」
「……まあな」
煮え切らない返事に肩をすくめ、ニナはベッドに座り込む。布団を工面しなきゃ。……俺のベッドじゃ、足がはみ出てしまうかもしれない。
一方のニナは、すでに寝転がりゴロゴロと心地を確かめていた。
「お前、勝手になぁ……」
「What’s the matter? これから私も住人よ? いいじゃない。それにそのうち、私のものになるんだし」
「暴君かよ!?」
大仰に反応してしまうのは、浮ついてしまう心のせいか。いくら家族とは言え、この美少女とはちょっと前まで、赤の他人だったのだ。それも、ファッション雑誌から飛び出てきたようなスタイリッシュな娘、それが家にいるというだけで、胸の高鳴りを抑えきれない。
ニナがあたりを見回すたび、アイボリーのツインテールからフワリと香りが花開く。まだあどけなさ残る童顔に、ツーサイドアップの髪型がよく似合っていた。
「お茶持ってくるよ」
「私ジュースがいいな♪」
「ね・え・よっ!」
仕切り直すようにそそくさとキッチンへ退散し、息をつく。パッと明るい女の子、それは間違いないのだが、ニナはイタズラっぽいところがあった。おちょくってくるというか、生意気というか……。
まして、俺は縮小病の身。
果たして、どこまでマイペースガールに伍すことができるのか。不安が頭をもたげてくる。
とはいえ。
グラスを携え戻った時、その姿を見ただけで嬉しくなってしまうのだ。
そこにいる、義妹の白人美少女。
少し背中を丸め、浅くソファに腰掛けている。フーンとあたりを見回すのは素の表情、家族に見せるそれだ。なんだか嬉しくなる。
「とにかく、来てくれて助かったよ。少なくとも、ろくに家事は出来なくなるからな」
「困ってるんでしょ? 当然よ」
「ただでさえチビなのに、これ以上縮んだら目も当てられないからな」
「食費が浮いていいじゃない」
嫌味のつもり、だが、ニナは軽く受け流す。
続けて曰く。
「……ママたちは、ハネムーンで夢中だしね」
「ラブラブか」
「ヌガーみたいに」
辟易したように鼻を鳴らす美少女。耐え兼ねて、逃げ出してきた面もあるだろう。親父らも全く勝手なもので、突然の再婚に反発し俺が逃遁しても、さしたる反応もなかった。今ごろは、ナカヨシで頭がいっぱいと見える。さしもの小生意気ティーンとて、耐え兼ねて当然だ。
「まあ、ゆっくりしてくれ」
「Thanks! はー、やーっと落ち着けた♪」
ぐいーっと伸びをする。細腕の中、寄せて膨らむ発育良好な胸。アメリカンバストを見せつけられ、思わず赤くなる。
……やっぱり生意気だ。無意識に主張するエロいボディに、俺は直視さえできない。
こんな外国美少女が俺の妹だなんて。街行く海外旅行客の美女が、突然振り返り家族になったような衝撃だ。しかも、スラリとしたその娘は年下ときた。どこか幼く無邪気な面影に、それでも俺は恋愛感情のようなものを抱いてしまうのだ。
夢のようなシチュエーション。けれど、いざ身に降りかかると俺はドギマギしてどうにも大胆に動けない。ニナは、こんなに伸び伸びしているのに。
実際のところ。
ニナは俺のことをどう思っているのだろうか?
178㎝美少女の姿を、無意識に目で追ってしまう毎日。
妹なのだ。まだ中学生なのだ。そんな風に見てはいけない。
そう思いつつ、どうにも彼女が気になって堪らない。廊下を歩くニナの、ふわりと流れる髪の色、軌跡に残る華やかな香り。彼女が来て以来照らされたように明るくなった部屋の中、こっそり後ろ姿を眺めてしまう。
もちろん、そんな狼藉ばれないはずもなかった。
「ちょっと、ずっと私のこと見てるよね?」
腰に手を当て、呆れたように言うニナ。廊下ですれ違った折、チラリと振り返った瞬間ニナと視線がかち合ってしまったのだ。腰を折って俺に顔を近づけ、詰問するように問いかける。対する俺は、突然顔を近づけられてドギマギするばかりだ。
「ご、ごめん……」
「気づかないと思った? 目つき、いやらしいよ?」
からかうように乳房を寄せ上げれば、俺の視線はそれに釘付けだ。
おまけにみっともなく勃起してさえいるのだから、ますますニナの嘲笑を誘ってしまう。
なんて生殺し。
思わず、物欲しげな顔になってしまう。
それがまずかった。
「なに、シたいの?」
突然、壁に手を突き俺に覆いかぶさるニナ。俺は頭一個分違う身長差で壁ドンされ、思わずヒッとひるんでしまう。一瞬遅れで状況に追いつけば、“何を”と怒りに任せ突き飛ばそうした。
そんな腕を掴まれて。
「暴れちゃダ~メ♪」
壁に押し付けられてしまうのだ。
それだけで、俺はどんなに頑張っても逃げられなくなってしまう。
嘘だと思いたかった。でも、俺は14歳の妹にすら抗えない。
そんな義兄をあざ笑うように、ニナが俺の手を強引に胸に押し付ければ……!
「……ッ!」
手のひらからむっちり溢れる巨女の乳房。若々しい柔らかさと、外国人特有の弾力が手の中で重く揺れる。一気に心拍数が跳ねあがった。ブラのラインが手に焼き付く。華やかな体香に、力が抜ける。
「な、な、何を……!?」
ニナは答えない。
ただ、屈みこむように俺の瞳を覗き込み、色素の薄い髪で視界を遮断すると。
唇を近寄せ。
近寄せて……。
「……ぷっ」
「……え?」
「くっ、ふ、あは、あはははは!」
一気に噴き出したのだ。
「何、本気でレイプされると思ったの? 真っ青になって、抵抗すらできないんだ?」
「お、お前……!」
「弱っち♪ それとも本当にセックスしてほしかった? 年下のティーンに犯されたいなんて、ヒロってヘンタイね♪」
髪を揺らしケタケタと笑う白人美少女。一方、口をパクパクしたまま俺は言葉も出ない。未だに心臓は早鐘を打って止まらず、恐怖に足がフワフワする。
腕力で負けたのか? 妹に? 14歳に? 女子中学生に? 突然のことで気が抜けたからだと思いたい。
けれど。
今なお体を折って笑う長身を見上げ、その細腕を見て。
蘇る記憶は、俺の無力が本物だと教えている。
確かに、俺は病気だ。縮小病だ。けれど、体力は落ちていないはずだった。
でも、でも、でも……。
「フフ、いいこと知った♪」
ニナに襲われたら、俺は縮んでなくても抗えない。骨格からして違うのだ。
それだけが確かなことだった。
§
非日常は続く、つつがなく。
縮小は、待ってはくれなかったのだ。
徐々に始まった病状は突如走り出し、一気に進展してしまった。
そしてニナとの身長差に騙されて、気づいた時にはすでに10センチ以上縮んでいた。
「お互い、気づかなかったな……」
「えっと、……sorry♪」
明るく言って、はぐらかそうとするニナ。一方の俺は、その胸の影に隠れるように義妹をねめつけている。いや、視線を遮られ顔すら拝めない始末だった。小学生と長身女性が並んだようなもの。ニナはまだ、中学生だというのに。
「まあ楽しんでみようよ。こんなこと普通ないって。ポジティブポジティブ♪」
「他人事だからってな……」
まあまあ、と言って頭を撫でてくるニナ。腰を折って子供にするような素振りが、さらに俺のプライドを傷つける。
第一。
楽しんでいるのはむしろ、ニナの方だったのだ。
「Bon apetite♪ はい、あ~ん♪」
嬉々として、俺に飯を食わす我が義妹。
俺を、膝の上に載せて。
「……」
押し黙ってしまうのは、羞恥か屈辱ゆえか。
なぜって、身動きする度ブルンッと乳が揺れ動くのだ。ニナからは見えまい、だが、俺にとってはその何十倍もの存在感だった。もう、軒先に雨宿りしている気分だった。身長差60㎝強の逆転身長差は、兄妹を母子に変えてしまった。
でも、俺にとってそれは、母親の乳房なんかじゃない。
絶世の美少女が揺らす、色白おっぱいなのだ。
わかっているのかいないのか。バストの膨らみの下に収められ、子供のように匙で飯を食わされる。これが毎日繰り返されれば、さしもの俺もどうかなりそうだった。
或いは。
トイレを手伝われ。
寝る時も一緒。
日中は抱かれてテレビを観、ゲームを遊び、たまにからかわれる。
一体、俺はニナの何なのか。
悶々とする日々が続いた。
ニナと家族になりたい気持ち、ニナを女の子として見てしまう気持ち、そのどちらも本物だった。
一方のニナはそれを特に気にも留めず俺で遊ぶのだ。
堪らなかった。
ついに耐えかねたのは、数日の後。
「なあ、赤ちゃんみたいに扱うのやめてくれよ」
歩くニナの背に叫ぶ。対するニナは、“え~?”と笑ってろくに取り合わない。とうに、対等な会話など失われていたのだ。
俺は肩を落とし、未練がましく後をついていくだけ。
床を踏む足が立てる、かすかな揺れを感じ。
見つめるのは、プリプリ揺れるニナのお尻。スカートの下端から覗いてしまうほど、スカートを押し広げている。
本当にデカい。14歳なのに生意気にアメリカンサイズでスイカみたいだ。何を食えばこんなに育つのか。どんなショーツを穿いているんだろうか。スカートの中で、きっとパツパツに引っ張られていることだろう。
いや、違う。
気にするべきはそこではない。
——なんで、そんなものが目の前にある?
まさかと思った。見間違いだと思いたかった。けれどもう、俺はニナの尻さえ目の前に来る身長になってしまっていたのだ。
それをよく知っていたのは、寧ろ義妹の方だった。
「ねぇヒロ~? 何見・て・る・の、よっ!」
そして、尻を突き出せば。
「……へ?」
飛んできたのは、ずっしり詰まったアメリカンヒップ。黒ショーツさえきつく食い込む尻が、俺めがけ突進してきたのだ。