はいからしゅりんく
🕑 Added 2019-11-30 14:35:25 +0000 UTC
§
ブーツにリボン、袴は葡萄色。当世風の娘に僕は売られた。
ガス灯並び、まだラジオは珍しい時分。
まだまだ男の肩身は狭いのだ。
文字通り。
物理的に。
だから今日。
僕は、彼女の名を呼ぶにさえ大変な勇気を振り絞らねばならなかった。
「千代さん、ですか……?」
森に半ば隠れるように佇む家の前、ハイカラ娘のすがたを見つける。
聞いた通りに色白で、色素の薄いふわふわと柔らかそうな髪、それはきっと、僕の買主となる女性のはず。
——ああどうか、優しい人でありますように。
僕は祈るような気持ちで拳を握り、彼女へと近づいていく。
その微かな足音に気づき、くるりと振り返る彼女。
ふわりと舞う髪と共に髪紐が揺れ、金魚のように踊る羽織の袖、可憐な雰囲気を引き連れ、一人の娘が、こちらを顧みて。
「厘さんですか?」
そして、一気に不安は報われたのだ。
それは、稀世の美少女だった。
柔和な表情、優しい佇まい。まだ齢15に達するか否か、女学生然とした、矢絣羽織に華奢な線がよく似合う。姿は鈴蘭に似て美しく、羽織から覗くほっそりとした腕がなお愛らしい。
まさに芍薬、匂い立つ大和撫子がそこにいた。
「お初にお目にかかります。千代と申します」
上品な一礼と共に、僕へ歩み寄る大和撫子。一歩、一歩と近づいてくる、その度心が弾んでいく。
そして、あと一歩の距離で相まみえた時。
それでもなお、僕の目にその美貌は映らない。
「……ごめんなさい、ここじゃまだ、ちゃんとご挨拶は無理そうですね」
僕を覆い隠す細い影。それは、僕の背丈をはるかに超える、女性の影だ。
小男の目前には、女袴の帯がひらひらと揺れて。揃えられた手だって遥か高み。視線を上へ上へと伸ばしていっても、なかなか彼女の顔が見当たらない。
「本当に、小さいのですね」
なんとか直上をみあげれば、そこには戸惑いながら小さく笑う、大きな少女の笑みがあった。
これが、男女というもの。
女性5尺に男2尺弱、3倍もの体格差が、僕らの世界の標準だ。
「これから、よろしくお願いします」
上空から差し伸べられる、白魚のような手だって竪琴ほどもある。
その指一本と握手すれば、ひんやりとした丸みが手から溢れた。握りきれない大きな指、それでもこれは、柔らかく、しなやかな女性の指だった。
「……こちらこそ」
ニコリと笑ってくれる大きな少女。
彼女の履く編み上げブーツが、ジリッと、重い音を立てた。
⁂
早く親を亡くし孤独の身になった資産家の娘が、一体、どのようにして隠遁するに至ったかを僕は知らない。
ただ一つ、そんな暮らしが千代という娘をとてつもなく繊細にしたことは想像に難くない。
結局、男という小動物を前にして千代さんは対処に窮してしまったようだった。
「えっと……、すみません。外商に言いつけたんですけど、届くのが遅れているようです」
お茶を置いて座布団の上に坐すと、千代さんは申し訳なさげに呟いた。差し出したのは、女性用の大きな湯飲みに、ごく少量のお茶。土釜同然のそれと格闘する僕を前に、笑っていいのか手伝えばいいのか、千代さんは判断をつきかねている様子だった。
「お気になさらず。住まわせてもらうのは僕ですから……。それより、僕は何をすればいいのでしょう? 掃除? 洗濯? 裁縫なども、多少は出来ますが……」
「いえ、その程度は私がします。——それに、私は下男が欲しいというわけではないんです。その、叔母さまのすすめで。小間使いにしないなら、飼……、す、住まわせるだけでもいいから、と」
「……はあ」
奇特なことを言う人もいたものだ。くだんの叔母は彼女が断るのを見越して、僕を押し付けたと見える。
……まあ、彼女の社交性に鑑みれば、わからなくもないが。
そんな僕の思いを悟ってか。
「すみません、私、男性に慣れてなくて……」
困ったように笑うのは、照れ隠し半分、本音半分だろう。
千代さんは気まずげに目を伏して、下から見上げる僕と目も合わせられない。座った彼女を、立って見上げる僕。千代さんはその、自分の胸に届くかどうかの矮躯を前に当惑しているのだ。
座らせれば小ささのあまり視線も合わず、かといって立たせたままというのも忍びない。その僕にとっては当たり前の構図も、彼女にとっては恥ずかしいようだった。平等、謙虚、凡そ己の美徳とするところがことごとく叶わない。男にそんなもの、必要ないというのに。
停滞しがちな空気に耐え兼ね、僕はわざとらしく声を上げた。
「そうだ、手土産があるのを忘れていました。里の髪留めです。お納めください」
「ああ、ありがとうございます……!」
そして、彼女に近づけば。
お淑やかに笑んで、それを受けとる千代さん。
しかしどことなくわだかまるのは、独特の違和感だった。
「もしよければ、つけて差し上げますが」
その正体は、簡単なこと。
「いえ、大丈夫ですので……」
一歩近寄る。
一歩遠ざかる千代さん。
もう一歩。
すすす、とさりげなく、座ったまま距離を取るのだ。
近づく僕に、なお彼女は接近を許さない。
「……あの、どうして離れたままなんですか?」
身を縮こめるように座る彼女。羞恥したように逡巡してから、ためらいがちにこちらを見た。
「……恥ずかしいんです」
「恥ずかしい?」
「私、その、大きいから……」
顔を隠すように羽織の袖を持って行って、千代さんが呟く。
「……はい?」
間抜けにポカンとして僕は彼女を仰ぎ見る。女性としては明らかに細く華奢な体、それを恥じようというのだ。その五尺にも満たない体、小柄な体。けどそれは、小人の数倍はある巨躯だった。当然だ。だって、この世界において女性は男の3倍以上。鼠より猫が大きいのと同じこと。
そんなことにまで気にしてしまうだなんて。
……大丈夫だろうか、この少女。
俄かにそんな不安さえ湧いてくる。
「……特別大きいとは思いませんが」
「だって……。膝だけで厘さんより高いんですよ?」
「女性なのだから当然でしょう?」
「……厘さんのわからずや」
子供っぽく、プイとそっぽを向く。
それから、零すようにもう一つ。
「あと、男性はほとんど初めてで……。ちょっと、……怖い」
「怖い!?」
素っ頓狂な声を上げれば、一気に千代さんは赤面した。
「ちょ、ちょっと、笑わないでください!」
虚を突かれたように慌てる、そんな彼女がなお可笑しい。なんて繊細なヒト。まったく別種の生き物にさえ思えてくる。
「別に噛んだりはしませんよ。一応人間ではあります。小さいけどね。……それに、むしろ男の方が怖がるものだと思いますけど」
「なっ、女の子ですよ!? 怖いだなんて、そんな。……厘さんは非道いです!」
「まあまあ。僕じゃ、貴女に傷一つつけられません。千代さんは、自分がどういう存在か知るべきです」
近づく僕に、俄かに慌て始める千代さん。
「私だって恥じらいの一つや二つあるんです! やだ、ちっちゃい、こわい……!」
「普通怖がるのは小さい方なのですが……」
あまり拒絶されるようなら、彼女のためにも身を退かねばならない。けれど同時に、その繊細さに強く惹かれるところがあった。その機微に触れたいし、大胆になった彼女も見てみたい。女性にこんな気持ちを抱いたのは、初めてだった。
彼女自身、僕に興味はあるようだった。或いはそれは愛玩物への好奇なのかもしれないけれど。けれど、羞恥心がそれを許さない。近づけば彼女は羞じるだろう。それが、彼女を窮屈にしているようにも思えた。
だから——。
「そうですか……。僕の処遇は貴女のお気持ち次第です。お厭なのでしたら、僕はこれ以上ここにいる資格がありません」
「え……?」
「貴女のお気に召さなければそれまでのこと……。大丈夫、こういうことは慣れてます。だって、そういう世の中ですから」
「そ、そんな……」
淡々と言う僕を、彼女は当惑しながら見下ろしていた。
ただ、その目の奥、ジッと僕を舶来の珍しいお菓子を欲しがる子供のような色が見え隠れしている。
「ご迷惑でしたよね……。あの、明日になれば出ていきますから、せめて今日だけは、泊めていっていただけますか? 野犬にでも喰われたらおしまいです」
「は、はい。でも、その、えっと……」
そして、僕は落胆した素振りで部屋の中荷物をまとめようと動き出す。
一体僕に、試す権利があるのかないのか。若干の罪悪感を覚えながらもそれは、彼女本位のことではあった。
乙女として恥じることはやめられない。
けれど悪戯好きの少女にとり、小人に対する好奇心も抑えられないらしい。ちらりちらりと目配せを遣り、目が合えば慌てて目を伏せる。見下ろすその伏し目に子供っぽい光。千代さんも少女だ。興味を抑えきる自制心は未発達だった。
「——あの」
「どうなされました?」
そばを通りかかった僕の、裾をちょっとつまんでみる彼女。背を向けつつも、ちょいちょいと引っ張って僕を引き留めるのだ。
「少し、お側に……」
そして、僕を引き込む。
「……持ち上げますね」
「ご随意に」
不意にドキッとしてしまったのは、大きく垂れる袖からほっそり白い手が見えたから。金魚のような出で立ちの中から、一瞬垣間見える素肌がきれいできれいで、こちらに向かってくることさえ嬉しいほど。それから、胴を掴まれれば、何の負荷も感じさせず僕は持ち上げられてしまった。
そのまま、ふわりと抱き込まれ。
少女の衣紋が、暖かさが、僕を包み込む。
加えて漂うのは、金木犀に似た少女の香り。
これは——。
これは、想像以上の幸福感だった。柔らかな布の雲に身を横たえ、芳しい香りに優しい体温。何より、ちょっとした所作が少女の存在を感じさせて、喜びが沸々と立ち上ってくる。肩にかかった千代さんの髪にさえドギマギしてしまって、なんだか、いけないことをしている気分だ。
「すこしは慣れましたか?」
「——! やだ、見ないでください! まだ、まだちょっと恥ずかしい……」
「うぐッ!?」
振り返ろうとする僕をギュッと抱き込み、体で目隠しする。解っているのだろうか、自分の胸の中に押し付けるのだ。絹の薄紗の向こうに、柔らかな感触。むっちりとして女性的で、形の良いお椀型の乳房……。
「あっ、ごめんなさい。——本当にちっちゃい。腕を乗せただけで動けないんですね。これが、男の人……」
感慨深げに息を漏らす千代さん。緩やかな吐息が頬を撫で、カチコチになっている僕を囃すようだ。
そうすれば、一層意識してしまう二つのふくらみ。着物をしっかり膨らませ、僕を挟みつけて。そんな確かな女性の体つきに僕をうずめ、でも当人は体格差に夢中で気付かないらしい。
……いや、そもそも自分の体つきには無自覚なのかもしれない。彼女たちに、体格差を恥じても体つきを恥じる文化などないのだ。大きさがあまりに違いすぎて、存在があまりに違いすぎて、男の視線がどこに注がれているかもわからない。そして体格という最大の性差にさえ慣れてしまえば、男なんて犬っころも同然。
それが、男女の関係というものだった。
千代さんだって、いずれそうならないとも限らないのだ。
「そうなったら厭だぁ」
「……? どうなさいました?」
「いえ、暖かいなあって」
千代さんはきっと頬を染めただろう。もじもじと身じろぎして、ささやかな衣擦れの音で僕を包み込んだ。どうしようもなく沸き立つ庇護欲、恥じらいと支配感が、あどけない少女の胸に流れ込み、自分が小人と違うことを知っていく。
「あの、本当に行ってしまうんですか?」
「……ごめんなさい、嘘をつきました。——そもそも僕は、千代さんに見放されたらどこにもいけないんです」
「え……?」
「家は妹が継ぎました。僕は売られました。そして、千代さんに買われたんです。女権社会の男って、そういうものです」
お姫様は何もしらないご様子。あたふたと取り繕うとしてから、目を伏せた。
「その、ごめんなさい……」
僕はかまわず、懐から小瓶を取り出した。それを、大きなその手に握らせる。
「これは……?」
「西洋から入ってきた縮小薬です。男を犬にも物にも出来てしまいます。こんなもの、貴女にしか渡せません。わかってくれますか」
「まあ、千代を値踏みするんですか?」
「貴女にすべてを委ねるだけです。覚悟と呼んでください」
「……厘さんはやっぱりイジワルです」
そう言いながら、彼女はこれを手に取った。コロンに似た、噴霧器状のそれ。これがあれば、男を小間使いにも、愛玩物にも、道具にだってしてしまえる。僕の絶対的所有権が、彼女の手の中にあった。
……きっとこれが、広く行われていることだと彼女は知らない。半ば強制的にすべてを掌握されるのが、この世の男という存在だ。縮めるも戻すも女性の一存。それを知らない彼女が、僕をどうするのか。
けれど彼女はただ、何か語る素振りもなく。
「この子が、ずっと、千代のもの……」
そういうと、ギュッと僕を抱きしめた。
§
爾後、数日して。
なぜ僕が買われたのか、なんとなくわかってきた。
千代さんの男性への耐性の無さは、かなりのものだったのだ。
「……僕に気遣う必要ないんですよ?」
彼女の後を追いながら、僕は葡萄酒色の袴に言った。静々と歩いて、千代さんは困ったように笑うだけだ。
「厘さん、あの、後ろを歩かれると私……」
足袋が床を踏むたび、トストスという音と共に揺れが、軋みが、僕に伝わってくる。27倍の体重が地を踏む、足取り一つ一つが重々しい。
「恥ずかしがる必要はありません。男にとって当たり前のことです」
「千代が気にするんです!」
叫んでから、ハッとしたように口を手で押さえる。
「貴方は女心というのを知るべきです」
「千代さんは男という生物に慣れるべきです」
少女は少し渋い顔をしてから、呆れたように息を吐く。その素振りさえ愛らしい。
そう、千代さんは世にも可憐な少女なのだ。
だのに、相対的に巨大と言っていい自分のサイズはやはり恥ずかしい。
僕にとっては膨大な量の食事を取るのが恥ずかしい。
僕が入れてしまうほどのブーツが恥ずかしい。恥ずかしい、恥ずかしい。少女の慎み深さが仇になった。
「諦めろとは言いません。でも、サラシがきつ過ぎて酸欠になってしまっては元も子もないでしょう?」
「なっ、それは忘れる約束だったじゃないですか……!」
顔を真っ赤にしながら千代さんはさっと胸を隠す。
羽織の中には、大きめの乳房。大きいと言っても下品なところなど少しもない、ごく上品で女性的な豊乳だ。それが、ささやかに袴の帯から溢れ、美しいその造形を仄めかしていた。
でも、それはひとつだけで僕の顔より大きな球体。二つ合わせれば僕とどちらが重いかわからない。それを気にして、サラシで強く巻いていたようなのだ。
結果、息苦しくてへなへなと倒れ込む始末。いくら和服に寸胴が求められるとて、限度があった。
それもこれも、男性というものをろくに見ず引きこもっていたせい。どこぞのお節介が僕を彼女に押し付けたのも、そのせいだろう。
……何より、僕が不安に思ってしまうのだ。
ふっと風に消えてしまうんじゃないか、そう不安にさせる儚さが千代さんにはあった。彼女が羞じれば羞じるほどどこか遠のいてしまうようで、どうも具合が悪い。
莫迦な話だ。だって彼女はこんなにも大きいのに。
現に今、僕は目前の膝の主を懸命に見上げていた。
結局、荒療治に頼るほかないのか。
「……あの薬、渡してくれますか?」
「薬? これですか?」
懐から取り出す例のもの。
受け取れば、薬瓶は千代さんで温められ微かに温い。
やっぱり、こわいけど……。
覚悟を決めた僕は、息を吸い一思いにそれを噴霧した。
「——り、厘さん!?」
悲鳴を上げたとて、もう遅い。
穴の開いた風船のように縮んでいく僕を、千代さんはなすすべなく見下ろすことしかできなかった。
縮小していく哀れな生き物を前に、当惑しきってしまったのだ。
そうするうちにも下僕の姿は、胸の、袴の影に隠れ見えなくなってしまう。
翻って、僕の目には。
かつての10倍、優に僕の30倍もの大きさとなった彼女の、足という大陸だけが映っていた。
「どこですか!? 厘さん、答えてください!」
オロオロとあたりを見回し僕を探す千代さん。
その足踏みで、翻弄される僕を知らずに。
「ま、待ってください! 踏まれる、踏みつぶされる……!!」
真っ白な足袋に包まれた足が、ズドンズドンと降り注ぐ。そのたびに地面が波打ち足を掬って、倒れてなお重い一撃が僕の体を跳ね上げた。これが汽車10セット分の重み。今や千代さんは、新造の東京駅でさえ椅子同然の女神さまだ。
だから、直上を白い足裏が覆いつくしたところで、僕は逃げる気さえ起きなかった。
そのまま、むぎゅうぅッ……っと。
「ぐぅ、~~ッ!!?」
少女の、柔らかくもぎっちり詰まった足が、思いっきり僕を踏んだのだ。
「——ひっ!?」
異物を踏んだ不快感にゾクゾクっと身を震わせ、千代さんが慌てて飛びのく。踏んでようやく、存在に気付いてくれたようだ。
「こうすれば、もう恥ずかしいとも言っていられないでしょう……」
「だからってこんな……!」
拾い上げれば、手の中で僕はまるで芋虫。すっかり変わり果てた僕を見て、オロオロと千代さんは戸惑った。手の中、目を回している僕を見てどうすることも出来ない。吐息で飛んでしまわないかとさえ危ぶんでいるようだった。
「大丈夫です、多少手荒に扱っても死にはしません。頑丈さだけが取り柄ですから」
流石にぐったりとしながらも、手を振って見せる。彼女の手の上にいるというのに、こうして合図をしなければならない距離感。視界いっぱいに広がる彼女の顔が、神々しくさえ見えてくる。
「こんなにちっちゃくても生きていられるんですね。なんだか不思議……」
胸をなでおろしつつ、僕を凝視する千代さん。水惑星のような大きな瞳が、澄んで煌めく。巨大な千代さんの視線にピリピリと肌が痺れた。寝そべる手の大地がひんやりとしていて心地いい。これ以上なく頼もしい千代さんの存在感に、深い安堵と高揚感を覚えてしまう。
それは千代さんも同じようだった。
「これならもう恥ずかしくない、かしら……」
極小の存在を前に、もう同等の人として扱うのも莫迦らしくなったに違いない。どことなく緊張がほぐれたように見える。
なにより、その瞳にはこれまでと別の色が浮かんでいた。