近未来陰核大戦記〜巨大鬼を攻略せよ〜
🕑 Added 2022-02-03 08:40:01 +0000 UTC
2137年
この時人類は、栄華の絶頂を極めていた。
発達した科学技術により人類は寿命をも克服し、旧世紀から問題視されていた数々の問題にも終止符を打つことに成功したのだ。
エネルギー問題、環境破壊、少子高齢化、それらの問題をすべて科学で克服しうるほど、人類の技術は進歩していた。
そして地球での暮らしに問題がなくなると人類は次のステップへと踏み出していった。
月面着陸以後、人類の見果てぬ夢となっていたもの。宇宙への進出である。
それも太陽系内といった狭い範囲ではなく、広大という言葉すら虚しいほど大きく広い銀河を見据えた宇宙開発。それに着手しようとしていた。
しかしそれは、発達した科学をもってしても困難な道のりだった。
質量のある物は光の速さを越えられない。物理学の常識とも言えるこの摂理が、人類の行く手を阻んだ。
この光速の壁を超えるべく人類は、さらなる技術開発を試みた。
ワープ航法や時間操作など、距離の概念を超越するための超技術。これまで夢物語でしかなかったものへ手を伸ばしたのだ。
地球全土をあげて、諸国家が我先にと湯水の如く資源をつぎ込んでの技術開発。その果てに、アジアのとある国がひとつの成果を手にした。
次元渡航技術の開発に成功したのだ。
線から成る1次元、平面の2次元、そして通常の人間が知覚する立体の3次元。
そのさらに上には、4次元や5次元などさらなる高次元の空間があると提唱されていた。そこに手が届いたのだ。
そしてそれは時空間の壁を突破することにも繋がり、ワープ航法や並行次元への干渉にも繋がると全人類が多大な期待を寄せた。
2137年 2月3日
この日、人類は歴史上初となる別次元への門を開くことに成功した。
その先に何があるかの観測は門を開くまで叶わないので、どこに繋がっているか不明な神秘の入り口。その先にあるまだ見ぬフロンティアに、全人類が希望と期待を胸に抱く。
高鳴る鼓動を胸に、広がる次元門を見守る人間たち。
しかしその期待は、最悪の形で裏切られることとなる。
人間の放った偵察機を送り込める程度の大きさに留めようとしていた次元門の開通が、留まることなく広がりつづけたのだ。
青い空に広がる黒い裂け目。それは大きなビルを超え、小さな山をも呑みこむほど巨大な門を形成していく。
固唾を飲んでその様子を見守る人間たちは、信じ難いものを目にした。
巨大な門の向こう側から、人間の手のようなものが姿を現したのだ。
しかしそれは手というには余りにも巨大であり、その指ひとつでビル並みの大きさがある。
驚愕する人間たちの前で、その手の持ち主は門をくぐり抜け、その全容を現した。
それは人間の女性のような見た目をした、全長が1km以上にも及ぶ超超巨大な巨人。
頭部に大きな角があるものの、身体の巨大さとそれ以外には外見上人間との差異は見受けられない。
予想外に発生した、異次元人とのファーストコンタクトである。
よもや「こちら側の世界」でそれが起ころうなど思ってもいなかった人類にとって、青天の霹靂と言えた。
しかしそれでも一見すると人に見える相手のため、ひとまず言葉による接触を試みた。
こちらの言葉が通じるかはわからないが、争う意思が無いことだけは示すべきだと。もし彼女と和解出来れば異次元人との交流もできると、期待を抱いて。
しかしそれは叶わなかった。こちら側の特使が話しかけるより先に相手の発した言葉が、余りにも悪意に満ちたものだったから。
「ふぅん……ふんふん、いい具合に発展した文明を持っているようね。食べ頃だわ」
「ああ、私はあなた達の話す……エイゴとかいうのはよくわからないから日本語で話すわね」
「こんにちは、異界の小人たち。私は……あなたたちにもわかりやすく言うなら、異世界から来た存在よ」
「そして私の目的を、とてもわかりやすく言うなら……」
「私はあなたたちを、食べに来たの」
2137年 4月
異次元より巨人が現れてから2ヶ月。このわずかな期間に、人類の生活は一変した。
この巨人……空想存在に造詣が深く、おそらく別次元における巨人の母国と思われる国の言葉で「鬼」と称されることとなった彼女は、恐るべき行動を始めたのだ。
彼女は各地にある人間の都市を襲撃。その圧倒的体格と「妖術」と呼ばれる異界技術を用いて現地軍を蹂躙し、そして……その地にいる人々を、喰い始めたのだ。
彼女がこの世界に来た時発した言葉が偽りや冗談などではなく、彼女は本当にこのためにこの世界へやってきたのだと思わせるその食事ぶりは、一日で数万単位の人間を喰いつくすほどだった。
巨大な口に次々放り込まれ、咀嚼され、吞み込まれていく人間たち。その様子は全人類を恐怖の底へ突き落した。
そして人類は理解する。繁栄を極めた自分たちが、より優れた存在によってこれから家畜同然の存在になり果てていくのだと。
2137年 6月
鬼に対抗すべく人類は、国家の垣根を越えて結集する。
アジアも、欧州も、南米、北米、その他すべての国々の元首を集めた全地球規模の国際会議が持たれたのだ。
いがみ合う国々も、経済面、あるいは思想面で対立する国も、今この時だけは強大な敵を倒すために手を組もうと。
むろんそれは容易なことではないし、各国それぞれに思惑もあってのことではあるが、しかしそれは賛成多数で同意されることとなり、ここに全地球規模の軍が組織されることとなる。
名称はわかりやすさを重視し、地球防衛軍と名付けられた。
この地球防衛軍が組織されてすぐ、一度目の反攻作戦が実施された。
各国の所有兵器をひたすら鬼に向けて打ち込む、シンプル極まる飽和攻撃。
妖術と呼ばれる防壁を持つ鬼に対し、それを上回るだけの攻撃を打ち込むという安直でさえある作戦。
もちろんこれは鬼の持つ防御性能を測るという側面もあり、どの程度の火力ならそれを撃ちぬけるかを見極めようとしてのことでもあった。
しかし、その攻撃はまったくの無意味に終わることとなる。
主力戦闘機に搭載された高出力レーザー兵器、ビーム兵器はあえなく弾き飛ばされ
数えきれないほど大量のミサイル、火砲もまるで歯が立たない。
電磁加速砲も肌に触れることさえなく消滅し、人類側のいかなる兵器をもその肌に触れることは叶わなかった。
かくして第一次反攻作戦は失敗に終わり、人類は鬼に対抗する手段を開発すべく奔走することとなった。
2137年 7月
第一次作戦からさほど期間を開けず、二度目の作戦が開始される運びとなった。
その内容は、老朽化した人工衛星の軌道を変更。大気圏を落下する速度と質量を活かしての体当たり攻撃である。
より明朗な言葉を用いるなら、隕石落としを敢行したのだ。
光学兵器も爆弾も通じないのなら、相手の質量を上回る質量をぶつける。人類側の乱暴でいながら合理的に思えるこの決断はしかし、またしても失敗に終わることとなる。
赤熱しながら鬼のいる場所に向かって落ちていく人工衛星。
鬼を目標地点に留めるための陽動攻撃も絶やすことなく続け、見事にそれは命中した。
しかし大質量を誇る衛星もまた鬼の身体に届くことなく、あえなく失速。にべもなく弾き飛ばされた。
2137年 9月
二度目の作戦から二ヶ月。この時人類は、旧世紀からの禁忌に手を染めることを決定した。
各国が保有する大量破壊兵器の解禁である。
すなわちそれはかつて東洋のある国に絶望と破壊をもたらしたかの兵器が、ふたたび地球上で使用されることを示していた。
技術革新によってより強力となり、小さな島程度なら一撃で破壊可能な威力を有する兵器を、数百。
撃ち込んだ場所が向こう数百年は死の大地となることを承知で、防衛軍総帥はミサイルの発射スイッチを押した。
それすらもまるで歯が立たないと知ることもなく、愚かにも人類は自分たちが勝った後の心配をするのである。
2137年 11月
核による総攻撃さえも失敗し、もはや既存技術による鬼の撃破は不可能であることが判明した。
鬼はその無敵さゆえか、あるいは人間が大事な家畜であるゆえか、人類から攻撃を受けてもなお平然としていた。
反撃は降りかかる火の粉を払いのける程度に留めて、あとはひたすらその日その日の人間を食べてゆくだけ。
少しずつ、ゆっくりと、人類が死滅するまで、おいしくいただくだけ。
平均にして一日数万。気分がいい日は十数万。味の好みは若い男性が一番。
そんな鬼に飼いならされまいと、人類はなおもあがき続ける。
既存技術で適わないのなら、適う技術を生み出す。人類の戦いは新たなステップを踏み出したのだ。
そしてまず人類が考え出したのは、方針の転換。
質量兵器も核も通じない相手に、このまま大火力を撃ち込むことは合理的ではない。
相手の防御が妖術による防壁であるなら、それを潜り抜けて攻撃する手段を開発するべきと。
そして人類は、民間で用いられていた生活補助パワードスーツを軍事転用。人間サイズの機動兵器による近接攻撃を敢行した。
第四次反攻作戦の開始である。
結論を言えば、この作戦もまた失敗に終わった。しかし成果はあった。
人型機動兵器による近接戦は、成功こそしなかったものの妖術による壁の向こう側には行くことができたのだ。
それはすなわち、妖術防壁が鬼の意思によって発現するものであり、鬼に意識されないほど小さな物体であれば防壁を張られることなく接近が可能ということを示していた。
しかしその先で、鬼が細胞を変異させたと見られる人間サイズの生物兵器群に阻まれ、いくつかの弾薬をその身に打ち込むだけに終わる。
だがこれこそ、この作戦における最大の成果だった。
弾薬を撃ち込まれた部位からは、出血が見受けられたのだ。
鬼は自己治癒能力も高いのかすぐに塞がってしまったが、しかし肉体強度そのものはさほどでないことが判明した。
妖術防壁さえ潜り抜けられるなら、その身体にダメージを与えることは不可能ではない。見えてきた一筋の希望に人類は大いに沸きあがった。
その希望が、すぐに潰えると知ることもなく。
2137年 12月
前回の課題を受け、人類はパワードスーツの火力強化に着手した。
火力を底上げし、防壁の向こう側で肉体を破壊する。頭部や胸部を破壊するに足る威力の兵器を搭載した新型機を開発し、それによる第五次反攻作戦を行うのだ。
既存パワードスーツの火力を増強し、数をそろえて挑む五度目の反攻作戦。
それは目まぐるしいまでの成果と、そして絶望を人類にもたらした。
防壁の内側に潜り込み、迎撃をかわして撃ち込まれたミサイルが頭部に直撃。鬼の頭を吹き飛ばした。
ぐらりと揺れる巨体。煙をあげる鬼の首。誰もが人類の勝利を確信した。
だが、鬼は死んでいなかった。
確かに爆散したはずの鬼の頭部が、グジュグジュという音とともに再生したのだ。
脳を破壊してなお復活する再生能力。核さえ弾く防御能力。圧倒的巨体による破壊力。
そのすべてを備えた悪魔を前に、人類はあらゆる対抗手段を失った。
2138年 4月
戦意を喪失した人類はその後反抗することなく、ただ家族を、国民を鬼に差し出すだけの日々を送っていた。
着々と減り続ける人間たち。鬼の襲来から約一年で、戦闘による犠牲も含めれば五千万もの人間が命を落としていった。
今はまだ数が多いものの、このまま減り続ければ緩やかに絶滅していくのは紛れもない事実。
なにより鬼の好みによるものか栄養状態のいい人間が優先的に喰われており、生き残りはその多くが貧しい者たち。豊かなものから先に死ぬことで経済も停滞することが予想され、これから加速的に死者が増える可能性がある。
絶望的空気が漂う中、開かれた国際会議。そこで一人の人間の発した言葉が、人類の空気を一変させた。
倒すことが叶わないなら、無力化させてはどうか、と。
その言葉は、抵抗の手段を奪われ希望を失った人間たちに、藁にも縋るものではあるが光明をもたらした。
もはや兵器関連に留まらず、あらゆる技術を用いた無力化の検討。人類史上最大の難問にして、最後の希望が生まれた。
2138年 8月
あらゆる分野の権威が知恵を出し合い、一つの案が生まれた。
開発途中だった地球内ワープポータルシステム。人間の肉体、意識すべてをデータ化して電脳空間に保存。そのデータを転送し、転送先でそのデータ通りの人間を出力することでデータ転送と同様の速度での人間の移動を可能とする技術。
それを応用しての攻撃案である。
ワープのポータルとなるリングを鬼の身体に装着し、その部位をデータ化。データ化したその部位をもう一つのポータルに出力することで、鬼の身体の一部をこちら側の管理下に置くのだ。
そうすることによって何が起こるか。たとえば人間であれば足の裏だけを抜き取られて、感覚が繋がったまま防ぐこともできずくすぐられ続ければ行動不能となる。それと似たことが可能となれば、もしかすると鬼を無力化できるかもしれない。
そのために必要なことは、リングを装着する部位の決定である。
このリングは技術的限界によりそこまで大型化することができず、相手の身体の一部分。それも指先より小さな範囲しかカバーすることができない。
人間なら身体を覆うほどの大きさではあるのだが、相手が巨大すぎるため相対的に小さくなってしまうのだ。
そのため相手の指先より小さく、それでいて全身に影響を及ぼすほど神経が密集した部位の選定が必要だった。
小さく、それでいて神経の密集する部位。相手は女性。
導き出された結論はひとつ。
陰核部へのリングの装着である。
2138年 9月
リング装着部位選定の後に行われたのは、生体スキャンユニットの開発である。
人体データ化に用いられている技術を流用、巨大生物用に改造して鬼のバイタルデータを監視するのだ。
第六次作戦が快楽による鬼の行動制限である以上、鬼が感じた感覚をモニタリングする必要がある。そのための技術開発である。
コアとなる技術自体は既に存在するもののため、その開発自体はさほど難航することなく終わった。
むしろ問題は、開発した後にある。
部位転送ポータル同様、こちらも鬼の身体にマーカーを取り付けなければならない。
しかも陰核と異なり、鬼の警戒も厚い頭部に打ち込まなければその効果を発揮し得ないし、取り付けたとして外されてしまっては意味がない。
その点を鑑みての第六次作戦。その立案が急がれていた。
2138年 10月
長い会議を経て、第六次作戦の概要が発表された。
まず第一次攻撃隊が通常兵装による鬼への攻撃を敢行。注意を引き付けているうちに陰核や頭部への装置の設置を目的とした特殊部隊を接近させ、これを設置する。
第一次攻撃隊の生還はまず見込めない、決死の作戦。
その概要が発表されてから間もなく、第六次作戦は開始された。
陽動目的の航空攻撃が始まるとともに、こちらもまた陽動目的の通常配備パワードスーツ隊が戦端を開く。
その陰に隠れる形で特務隊が進出。目的を遂行すべく任務を開始した。
次々と堕とされていく航空機とパワードスーツ隊。一時間も経たないうちに十万近い犠牲を出す戦闘の末、まず陰核部に向かった部隊から成功の報告が挙がった。
歓喜する人間たち。軒昂たる戦意のまま頭部へのマーカー設置部隊も突撃し、これを成功させた。
目的達成と共に人類は撤退。矮小な人類を追い払ったと嘲笑う鬼を尻目に、人類は反撃の第一歩を踏み出した。
2138年 11月
頭部に取り付けたマーカーの情報を基にした鬼の身体データが完成。そこから得られた知識を基に分析を行った結果、鬼の身体は頭蓋骨が変形した角を除き、超巨大な人間と言える存在ということが判明した。
感覚神経などもおそらく人間相当であると考えられ、陰核部への刺激は有効であると推測される。
そしてデータ化した陰核を受信ポータルに出力。こちら側の管理下とする道具も完成した。
手のひらに乗るサイズのポータル。小さな箱状のそれの蓋を開けるとそこには包皮に包まれた赤い突起がひとつ。
管理しやすくするため人間大サイズで出力されたそれの大きさは一センチ未満。標準的なサイズである。
この小さな突起一つで鬼を無力化する。人類最後の悪あがきにも等しい戦いのための決戦兵器。
それに名付けられた名前は「プレゼントボックス」。
準備はすべて整い、あとはこの箱から鬼へ敗北と快感をプレゼントするのみ。
喜び勇んで、防衛軍総帥は箱の中にある陰核の包皮を剥き上げた。
コリコリと先端を愛撫し、輪郭に沿って撫で上げる。敏感な部分への刺激に、鬼も戸惑うかと思われた。
しかし鬼は平然としていた。平然とそこにいて、今日も変わりなく人を喰っていた。
その理由がわからず紛糾する防衛軍総本部。それに対する科学部の返答はこういうものだった。
鬼の身体は何らかの方法で感覚制御が行われている可能性がある、と。
それには防衛軍も覚えがあった。これまでの攻撃で何度か鬼にダメージを与えたことはあり、すぐ再生されたとはいえそれでも腕や頭を吹き飛ばしたのに無反応だったからだ。
通常であれば、いくら再生するとはいえ肉体を損傷して痛みを感じないはずがない。それでも平然としていた背景に、感覚制御があったとするほうが妥当である。
妖術による防壁と同様に、感覚そのものをも防御していたとするほうが。
もしそうであるなら、この作戦も失敗に終わるのではないか。絶望が防衛軍本部を覆う。
しかし、それでもこれが最後の希望である。希望をなくせばあとは家畜となり果てるのみ。
ならば最後まで抗い続けよう。それが人類の答えだった。
現実の火力を向上することは難しいが、感覚を増大させるのはそう難しいことではない。
感覚制御の壁があるのなら、それすらも乗り越えてやると。
人類最後の戦いが、ここに幕を開けた。
2138年 12月
鬼
クリトリス径(人間大) 4.5mm
クリトリス感度 1倍
絶頂回数 0
快感指数 0 (100で絶頂)
人類の最終作戦である、クリトリス改造計画が幕を開けた。
まずは先行して完成した一号機。ここに投影されたクリトリスの感度増大を行う。
箱の中で元気に息づくクリトリス。ここに裏社会で流通するドラッグを塗布し、経過を見守る。
いくらもしないうちに、真っ赤にぴくぴくと震えだすクリトリス。モニターに表示されている数値がみるみる上昇するも、しかし受けた快感を示す快感指数だけまったく伸びを見せない。
感覚制御があるため当然のことであり、これを貫くほどまでクリトリスを改造することがこの作戦の本懐である。
人類最後の戦いは、まだ始まったばかりだ。
2139年 1月
鬼
クリトリス径 10.0mm
クリトリス感度 125倍
絶頂回数 0
快感指数 0
年が明けても変わることなくクリトリス改造は継続して行われた。
またこれと並行してプレゼントボックスの量産も行われており、今月ようやく量産ラインのひとつが稼働を開始した。
このライン一つで、一か月におよそ10万ほどの生産が見込める。
そうして量産したボックスすべてから与えられる感覚をリンクして与えることで、感覚制御プロテクトの量的破壊を目指すこととなる。
また効率的に快楽を与えるためのクリトリス改造薬物の開発も急ピッチで進めており、その完成を人類すべてが心待ちにしている。
今日もまた喰われゆく同胞のため、人類は戦い続ける。
2139年 6月
鬼
クリトリス径 10.0mm
クリトリス感度 4879倍
絶頂回数 0
快感指数 0
鬼のクリトリス改造開始から半年。
鬼に気取られないためサイズに関わるような改造は行わず、ただ感度のみを飛躍的に上昇させることに成功した。
神経細胞ひとつひとつを活性化させる施術を半年かけて行うことによってそれを可能としたが、しかし細胞そのものの数的限界によりこれ以上の感度上昇はひとつのプレゼントボックスにおいては困難である。
そのため以降の計画はボックスの量産に主軸を置き、ひとつのクリトリスごとの神経細胞の数的限界を超越する方向にシフトする。
すなわち5000倍ほどの感度のクリトリスを何万、何千万、何億と増やしてその快感を一つにまとめて鬼に叩きつけるのだ。
そのためのボックス量産体制も軌道に乗り、現在は一日あたり600万ほどの生産量に到達した。
現存する全人口がおよそ170億であり、このすべてに配布することを目的とする。
人類の反攻体制が、ようやく整いつつあった。
2140年 1月
鬼
クリトリス径 50.0mm
クリトリス長 120.0mm
クリトリス感度 563461倍
絶頂回数 0
快感指数 50
鬼が現れてからあとひと月で三年が経とうという頃、更なる技術革新によりボックスひとつ当りのクリトリス感度は爆発的に増大した。
鬼のクリトリスを転送、コピーする形式をとっているプレゼントボックスのシステムを改良。オリジナルとなるひとつだけを鬼のクリトリスそのものとし、その他すべてのボックスによる改造はその感覚のみをフィードバックすることが可能となった。
つまり鬼から見た自身のクリトリスは一番最初に作られた試作機に転送されているもの一つだけであり、そちらは肥大化をしていない通常サイズのものである。
それ以外の169億におよぶプレゼントボックスはすべてクリトリスの肥大化措置と神経細胞の活性化を施しており、その感度は大気に触れるだけで常人なら悶絶、発狂するほど。
現在は試験的にそのうち100個ほどの感覚をリンク。するとこれまで変化が見られなかった快感指数に上昇が見られ、感覚制御プロテクトの量的破壊に希望が持てる結果となった。
その100個に与えられている責めは多岐に渡り、男性に用いるものと同様の器具による快楽責め、毛先の柔らかなブラシによる摩擦、指先による愛撫、ベテラン娼婦による口淫などが行われている。
およそ57万倍のクリトリス感度に加えてさらにそれが100個存在し、それぞれに別々の責めを行われるという異次元の感覚を前に、ようやく感覚制御にも揺らぎが見えてきたと言える。
鬼の表情にも若干の困惑が見られ、多くの人民がこの作戦に期待を寄せている。
万が一にもこのことが知られてはならないと実験的なリンクはすぐに打ち切られたが、鬼襲来から三年の節目に計画される最終反攻作戦に向けて上々の成果が得られることとなった。
2140年 2月3日
この日、人類は最終作戦を発令した。
作戦名「鬼退治」。このために作り上げた地球全人口に配布したプレゼントボックスすべての感覚をリンク。そのボックスから突き出たクリトリスを一斉に刺激することで感覚制御プロテクトを突破し、鬼を絶え間ない絶頂に追いやることで行動不能とする。
ボックスひとつひとつから出力されるクリトリスのデータも当初からかけ離れた見る影もないものとなっており、その170億倍の快感を叩きつけるのだ。
人間であればショック死を免れない激感だが、相手は不死身の化け物。なにひとつ遠慮はいらない。
これまで死んできた幾千万もの同胞の無念を抱えて、人類の最終反攻作戦が幕を開けた。
鬼
クリトリス径 80.0mm
クリトリス長 190.0mm
クリトリス感度(ひとつ当り) 786379倍
人類側はまず手始めに、一番人口の少ない先進国のリンクを解禁した。
先進国中では少ないと言えども、それでも5千万を下回ることはない数。78万倍に及ぶクリトリスの、5千倍。
箱から飛び出た全長20センチにも及ぶ超肥大クリトリス。その細胞すべてを敏感な快楽神経細胞と変じた巨大クリトリスが今、5千万の人間の手で扱き上げられた。
その瞬間、鬼が飛び上がった。比喩ではなく本当に、その身に与えられた激感への反射で。
次いで鬼は迫る何かを堪えるように全身を力ませる。そんな鬼に追撃を加える5千万の手。
そしてそれは、爆発した。
「んギイイイイイイイィィィイイィイイイイイイイイイィイィイっっっっっっ!!!?!?!?!?」
腰を高く浮かせ、下着を突き出し、張り付いた陰部から粘液を噴き出して、鬼は絶頂した。
その時の快感指数は16万。100で絶頂するほどの快楽の「深さ」である。
絶頂にも軽さと重さがあり、その最も軽い絶頂深度が100である。
麻薬などを用いて絶頂深度が深まった場合、2000や3000に及ぶこともある。
だがこれは、桁が違う。2000や3000などと生易しいものではなく、16万。
麻薬を用いたセックスでさえ脳を破壊する恐れがあるのの、数百倍。
そして絶頂回数は、その一瞬で与えられた刺激だけで30回に及ぶ。
壮絶なまでの絶頂深度の快感が30回。人間なら百回はショック死できる快感である。
しかし鬼が死ぬことはない。ミサイルで頭部を吹き飛ばされても生きているほどの再生能力があるから。
そして防衛軍はさらなる追撃として、先進諸国の連合に属する国へ解禁の支持を出した。
欧州、アジア、それぞれにつながりを持つ国々へ。まずは欧州から。
その総人口、50億。そのすべてが、絶頂に震える超敏感クリトリスを手に取った。
全長1.6㎞にも及ぶ巨人の咆哮が響き、その巨体を波立たせてのたうち回る。
ビルに降りかかる粘着質の液体が、その身に起こるおぞましいまでの感覚を物語っていた。
しかし、鬼はまだ気づいていなかった。気づくだけの余裕もなかった。
この身に沸き起こる絶大なまでの感覚の奔流が、まだ序の口でしかないということに。
2140年 同日
鬼
クリトリス径(実物大) 80m
クリトリス長(実物大) 190m
クリトリス感度 79万倍
絶頂回数 1753回
快感指数 700万
世界人口の約30%を費やした攻撃により、悶絶するほどの快感を味わう鬼。
いざ止めを刺さんと防衛軍総帥は、全プレゼントボックスの感覚リンク機能を起動した。
だがそれは、これまで一度も試していないことゆえかシステム面に詰めの甘いところがあり、若干のタイムラグが発生した。
その間すべてのリンク機能が一時的に不全となり、鬼に与えられていた快感が途絶える。
(こ、この……感覚……!!あきらかに、異常な……!)
(これは、部分的な身体の転移……?そこまでの技術を有していたなんて……!)
(でも原因がわかれば対処は簡単。感覚遮断を最大出力にして、その隙に感覚の発生源を絶てば……!)
その僅かな間に鬼は持ち前のタフネスで体勢を立て直し、思考を纏めて反撃の準備に移る。
これまで積極的な攻撃をしてこなかった鬼の、初めての戦闘態勢。
その力の前に為す術もなく人間たちは倒れ、鬼に喰われる家畜に戻る。
______________そのはずだった。
「……え、えっ!!?」
鬼は自分の身体に起きていることが理解できなかった。
感覚遮断は正常に作動している。この身に降りかかるあらゆる感覚から身を守れている。
そのはずなのに、身体はガクガクと震えて秘所から潮を吹き散らして絶頂していた。
妖術による攻撃をしようにも、身体が勝手に絶頂して言うことを聞かない。
その原因は、時間差で起動したリンクシステムにあった。
全人類の手によりクリトリスを扱き上げられ、その感覚を叩きつけられる身体は、脳へ向かう感覚を遮断していても絶頂していたのだ。
これまで散々クリトリス絶頂を極めていたため、それを身体が覚えていたのだ。
(な、なん、で……!!おかしいっ、こんな……!)
何も感じていないのに絶頂する。未体験の現象に困惑する鬼を、更なる事態が襲う。
彼女の用いる異界技術。妖術と呼ばれる技術に用いられる媒介ユニットが、アラートを発していた。
その内容は、オーバーヒートの警告。
「ま、まっ……て……!!いま、かんかく、もどったら……!!」
全人類170億の手により扱かれる感度79万倍のクリトリス。
その絶望的快感は異界技術の結晶をも押し切る膨大な快楽エネルギーを形成し……
ついに、感覚遮断を完全に破壊した。
「ンぎゃアアアァァアアアアァアアアァアアアアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!!!?!??ほぐゥオオオオオォオオォォオォオオオオオオオオオ!!??!?!??!?」
絶頂、絶頂、絶頂。
イって、イって、イきまくって。
護るものすべてをなくしたただの人間に、もたらされる地球破壊レベルの感覚の大津波。
核も衛星も弾いたほどのエネルギーを誇る彼女の全力を以てしても及ばない、超絶的快楽の奔流。
ぶちぶちと脳細胞が弾けては再生する、常時死に続けるような超快楽。
もはや快楽と呼ぶにはあまりにおぞましい、170億が束ねた絶頂。
白濁した愛蜜を何kmにも渡って噴出し、小便と潮の湖が出来上がるまでの壮絶極まる大絶頂。
それは鬼のプライドを完膚なきまでに破壊し尽くした。
「ごッ……!!!!ごべっ、ら゛さ゛っっっ…………!!!!も゛っっ゛イぎだぐ…………!!」
誰にともなく許しを請う、人類最大の脅威「だったモノ」。
だが許すには彼女は、あまりに多くの命を奪いすぎた。数千万もの無辜の命たち。
それに報いるには、まだまだ足りない。
「アぎゃああああぁぁあぁぁぁあぁあああぁあぁ!!!!!!!もっっっ……!もうクリはああぁあぁあぁぁぁぁあぁ!!!!!」
「や゛べ゛っっっっ、や゛べでええええええぇえっぇええええええええ!!!!!!いぎゅぅいぐいぐいっっっっっっぐうううううううぅぅぅうぅう!!!!!もぉいぎだぐなあぁあぁあああああ!!!!!」
「いっぐううぅぅうぅううううううううううぅううううう!!!!!!!!いっっっっっっっっっっっぐううううううぅうぅぅうううああああああああああああーーーーーーーー!!!!!」
2140年 2月4日
鬼
クリトリス径(実物大) 80m
クリトリス長(実物大) 190m
クリトリス感度 100万倍
絶頂回数 170万8542回
絶頂深度 1000万
日付を跨いでもなお、人類の鬼への復讐は続いていた。
白目を剥いて気を失ったなら、クリトリスに針を刺してその痛みで叩き起こし
土下座で許しを乞うたなら、巨大クリトリスに蹴りを入れた。その刺激でも鬼はイき狂った。
泣いても、叫んでも終わらないクリトリス絶頂地獄。夜が明けたとてそれが終わることはない。
人類の抱える怨恨が消えるまで、鬼を許してもいいと思えるまで。
2140年 4月
クリトリス径(実物大) 130m
クリトリス長(実物大) 500m
クリトリス感度 100万倍
絶頂回数 45億8170万5974回
絶頂深度 2億
鬼が絶頂に泣き叫んでから、二ヶ月が経過した。
その間人類は代わる代わる鬼のクリトリスを弄び続け、とうとう体の三割近くにまで肥大するほどの立派なクリトリスに進化していた。
この頃になるともう鬼も許しを乞おうとはしなくなり、ただひたすら一日絶頂し続けるだけ。そんな日々に人間たちも少し飽き始めていた。
そこで防衛軍総帥は一度リンクシステムを切り、鬼と交渉を始めた。その内容はこういったものだ。
鬼の持つ異界技術を人間に教える限り、クリトリスのリンクは解除すると。
その交渉に鬼はすぐさま飛びつき、ここに鬼と人間の友好条約が締結された。
2215年
人類が異界人類、鬼と初めて遭遇してから数十年の時が経過した。
この時人類は外宇宙にその版図を広げており、地球に住むのはごく僅かな上位層のみとなっていた。
鬼のもたらした意思をエネルギーとする妖術と人類の持つ科学の力。この二つを合わせた超技術によって銀河へと歩みだした人類の進化は続いていく。
これからも、果てしなく。
その人類進化の傍らで、地球の片隅に打ち捨てられたひとつの巨大な影。
数百メートルはある巨大な肉棒をぶら下げた歪な身体の美女。
股間から止めどもなく汁を溢れさせ、ビクビクと時折身体を震わせる無様な姿を晒す巨人。
それは数十年前地球を震撼させ、クリトリスによって敗北した哀れな鬼だった。
人類との取引により、情報を提供する限りリンクシステムから逃れることができていた鬼。
しかし人類が妖術をマスターするに従って情報提供ができなくなり、結果貢ぐものを失った彼女に待ち構えていたのは絶え間ない凌辱だった。
「い…………ぐ…………い…………いぐ…………」
「…………し…………て…………こ…………して…………」
「ころ…………して…………」
不死身の肉体故に死ぬこともできず、1.6kmの裸体を白日の下に晒したまま彼女は絶頂し続ける。
いつまでも、いついつまでも。いつか地球が滅ぶまで。